黒~紫系いちじく

Anarata klirou/アナラタ キリロウ

キプロス原産、klirouは村を意味する。
軸側は赤紫、目側は深い紫になっていくグラデーションが美しい。
果肉は赤色で、熟してくると果皮表面にヒビが入る。
中~大粒で多収のいちじく。

Brogiotto Nero/ブロジオット ネロ

イタリア原産。
黒色の果皮、赤みがかった琥珀色の果肉を持つ。
ダークベリーフレーバーで、Black Madeiraに勝るとも劣らない豊かな味わい。

この品種名で少なくとも二種類以上の黒いちじくが流通している。
日本で流通しているBourjasotte Noir(ビオレソリエス)もシノニムとする見方がある。

Black Zadar

原産地はクロアチア、アドリア海沿岸の街Zadar。
黒いちじくに分類されているが、収穫時期によって茶や黄緑がかる。
果肉は琥珀~赤色。
とても甘くて濃い、いちじくの旨味を凝縮したような品種。

Colombra Nera/コロンブラ ネーラ

   Colombra Nera    Colombra Nera

赤紫色の果皮、赤の果肉を持つ大粒いちじく。
写真は2023年に2年生苗から収穫したもの。美しさもさることながら、さっぱりした甘さで瑞々しいのが良い。

Coll de Dama Blanca-Negra/コル デ ダム ブランカ ネグラ

白(緑)と黒の2種類の実をつける珍しいいちじく。
ポンス氏の著書によると、黒は平均38.6グラム、白(緑)は平均32.5グラム。
他のColl de Damaシリーズよりも皮は薄め。
非常に風味豊かで、奥深いフルーティーな味わい。

Coll de dame Cuitat/コル デ デム クウィタッツ

スペイン原産。
紫と緑の果皮に亀甲のようなひび割れが入る。果肉は深紅。
目が閉じているため、雨や虫害、腐敗に強い。
また、果皮が厚めで剥きやすいため、日本での商業栽培にも向いている可能性がある。  

Coll de Dame Grise/コル デ ダム グリーズ

日本ではLady Gray/レディグレイの名称で流通している。
灰色の果皮、赤の果肉を持ついちじく。
甘味は強く、ジャムを彷彿とさせるねっとりとした濃厚な味わい。

Coll de Dame Noir/コル デ ダム ノワール

Coll de Dame Noir

日本ではLady Black/レディブラックの名称で流通している。
紫がかった黒色の果皮、深紅の果肉を持ついちじく。
ベリー風味で、ジャムを彷彿とさせるねっとりとした濃厚な味わい。
絹を裂くようなきめの細かさが心地良い舌触りを生む。
シードクランチは多少感じる程度。

De La Reina(MP)/デ ラ レイナ

スペイン原産。名前は「女王の」の意。
黒皮で熟すと表皮に軽いひび割れが入る。
果肉は赤で、果皮とのコントラストが美しい。
強いベリーフレーバーを持ち、高糖度。
目が閉じているため虫害や腐敗に強く、また、皮が厚めで輸送に適していることから、海外では商業栽培をしているところもある。

De La Reinaは二種類の同名異種が確認されている。もう一方は流通量が少なく、一般的にDe La ReinaといえばDe La Reina(MP)を指す。
MPとはコレクターであり栽培者であるMontserrat Pons氏の略称。

Diuiri/ディウィリー

  

黒紫の果皮、赤の果肉を持つ中粒のいちじく。
甘くジューシーで、熟すると蜜が垂れることがある。

Fracasano/フラカサーノ

イタリア原産。
黒紫の果皮、赤の果肉を持つ大粒いちじく。
Fracazzano Neroのシノニムかもしれない。

Galicia Negra/ガリシア ネグラ

スペイン・ガリシア地方原産。
黒紫の果皮、深紅の果肉を持つ中粒いちじく。
味は濃密でベリー風味で評判が良い。
樹勢は非常に強いので栽培スペースには注意が必要。

Kiladonika/キラドニカ

   Kiladonika    Kiladonika

地中海に浮かぶ島、キプロスの伝統的な品種。
茶色がかった紫の果皮、赤の果肉を持つ。
ジューシーで蜜が多く、蕩けるような食感が楽しめる。
シードクランチは少なめ。完熟すると極上の甘さ。
目は基本的には閉じているが、輸入元によると稀に裂けることがあるらしい。
成長すると平均約80gにもなる大粒いちじく。

Smith/スミス

クロアチア原産。
黒紫の果皮、赤の果肉で豊かな風味。
小~中粒ながらその美味しさで人気のレア品種。

Masui Dauphine/桝井ドーフィン

   Masui Dauphine  

 スーパーで売っているいちじくの半分はコレと言っても過言ではない。
 濃い紫の果皮、赤の果肉を持ち、生産的で頑強。
 夏果はしばしば180gを超えるほど大きくなり、大実好きには堪らない。完熟スイカの甘さに似て、瑞々しい。
 秋果は80g程度とやや小ぶりなものの、上品な美味しさが特徴。
 甘すぎないことは美点でもある。糖質を制限されているご高齢者にちょうど良い甘さ。
 なお、自分で育てた完熟ドーフィンは店頭物と天地の差があることを明記しておく。   

Mavra/マヴラ

キプロス原産。
軸側のピンクから紫へのグラデーションが美しい。
熟してくると表面に軽くスリットが入る。
琥珀色の果肉を持ち、ジューシーで満足度が高い。

Mavra Klirou/マヴラ キリロウ

キプロス原産、klirouは村を意味する。
明るい紫の果皮で表面に薄くスリットが入る。
赤い果肉はみっちりと詰まっている。
中~大粒で生産的であり、魅力的ないちじく。

Mavra Markopoulou/マヴラ マルコポーロ

ギリシャ原産。
この品種名で少なくとも黒と黄色の2種類が流通している。
ガーデン春告鳥で栽培しているMavra Markopoulouは、黒紫の果皮には細線の白が散逸している方。
深紅の果肉はしっとりとしていてベリー風味。大粒で程よい甘さ。
シーズン中期から後期にかけて生産的ないちじくの一つ。

Mavra Vartika/マヴラ ヴァルティカ

Vartikaから生まれた色違いの品種。
黒の果皮を持ち、甘くて深いベリー風味。シードクランチも楽しめる。
大粒で生産的。

Mavro Pegeias/マヴラ ペギアス

黒紫の果皮、茶色がかった琥珀色の果肉を持つ。
まだ情報が少ない。

Melograno 286/メログラーノ286

 Melograno 286/メログラーノ286

茶色の果皮の大粒いちじく。
甘く豊産で樹勢は強い。秋果は晩成か。
写真は成長中のもの。

Melanzana/メランザナ

   Melanzana    Melanzana

イタリア原産。名前は「茄子」の意。
赤みがかった紫の果皮、淡いピンク色の果肉を持つ。
しっとりとしていてジューシー、甘みと酸味が楽しめる。
シードクランチは少なめで果肉の蜜っぽさを堪能できる。
figaholicsのYouTubeでも紹介されている注目品種。

Murara/ムラーラ

赤みがかった黒色の果皮、赤褐色の果肉を持ついちじく。
とても甘くてジューシー。熟すると蜜が垂れることがある。
非常に生産的で、秋果が特に大きい。

Napolitana Negra/ナポリターナ ネグラ

黒の果皮、深紅の果肉を持つ。
目が閉じているため、雨による腐敗や虫害に強い。
ベリーフレーバーの美味しい無花果。

Neri(GE Neri)/ネリ

  Neri/GE Neri

赤紫の果皮、赤の果肉を持つイタリアの希少な品種。
シュガー/プレーンフレーバーでジューシー。
2023年、二年苗でも十分な大きさ、美味しさを堪能できた。
木が充実してくるとテニスボールと同じくらい大きな実を楽しめるらしい。

Rhodes/ロードス

 Rhodes/ロードス

黒紫の果皮、桃色の果肉を持つ。
甘さと酸味のバランスが良く、まったりとしているがスッキリした後味。
口は閉じており、腐敗や病害虫に強い。
樹勢が強いため注意が必要。

Pescarolla/ペスカローラ

Pescarolla/ペスカローラ

茶色がかった紫の果皮、赤の果肉を持つ。
甘さと酸味のバランスが良く、シードクランチが楽しめる。
一口サイズの小粒が葡萄の房のようにたわわに実るため、一葉一果になるよう摘果が必要。
樹勢は大人しい。

2023年二年生苗、初収穫。
夏果こそ水っぽく品質のばらつきがあったが、秋が深まるにつれて平均値も落ち着き、濃厚に変化していった。

Pittakouri/ピッタコウリ

黒紫の果皮、赤の果肉を持つ。
中~大粒で生産的。
熟すと蜜が垂れることもある。中も蜜っぽく、ジューシー。

Vasilika Markopoulou/ヴァシリカ マルコポウロウ

ギリシャ原産。
紫の果皮、赤の果肉を持つ中粒いちじく。
濃厚な甘さで、きめが細かく滑らかな食感。

Vasilika Mavra/ヴァシリカ マヴラ

黒紫の薄い果皮、赤の果肉を持つ。
ジャムのように粘度があり、苺や蜂蜜の風味がある。

久留米くろあま

久留米くろあま

黒くて甘いので「くろあま」。
黒紫色の果皮、赤の果肉を持つ。
中~大粒、目が閉じているため腐敗や虫害に強い。樹勢は強め。

※商標登録品。
権利人の許可なく、商標を使っての増殖品譲渡、穂木売買は商標法で禁じられている。

久留米くろみつ

久留米くろみつ 久留米くろみつ 久留米くろみつ

黒くて蜜のようなので「くろみつ」。
黒紫色の果皮、赤の果肉を持つ。
その名の通り蜜っぽく、ゼリーのようなとろっとした味わい。
中~大粒、樹勢は強め。稀に目が開き気味になることがある。

※商標登録品。
権利人の許可なく、商標を使っての増殖品譲渡、穂木売買は商標法で禁じられている。

久留米ばさろ

久留米ばさろ

ばさろとは、博多弁で「たくさん」の意。
紫色の果皮、赤の果肉を持ち、シードクランチが楽しめる。
小粒で多収。目が閉じているため腐敗や虫害に強い。樹勢は強め。

※商標登録品。
権利人の許可なく、商標を使っての増殖品譲渡、穂木売買は商標法で禁じられている。